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ご挨拶

第56回熊本県医学検査学会
学会長 富田 文子

第56回熊本県医学検査学会の開催にあたり実行委員を代表しご挨拶を申し上げます。

 ここ数年私たちは、地震や新型コロナウイルス、他国の事情による試薬や資材の欠品、真夏のインフルエンザなど、いろいろな分野で前例のない対応に迫られてきました。熊本地震で機材を失い、また、大量の新型コロナウイルス検査に翻弄され、その都度私たちは自分たちを細かく変革しています。これらがきっかけとなり、分野を超えた協力体制が整った検査室も多いことと思います。そのために、教育方法もスペシャリストとしての専門性の追求から、ジェネラリストとして多方面の知識を持った技師を育てる方向へと変える必要性が生じています。

きっとこれからも予想外な展開が続くことになるのでしょう。そのような不確実な未来に備えて、住みなれた熊本にこれまで通りに大切な方々が共に暮らしていくために必要な検査室と、そこで働く私たち検査技師にはどのようなことが求められていくのでしょうか。

ありきたりですが、変化に対応できる検査室でありたいと考えます。環境の変化に耐える力を蓄えると同時に、検査室の外とも繋がりの強固な拡がりを持った検査室となれるよう、この学会のテーマを「住みなれた地域で共に~拡がりを持った検査室~」とさせていただきました。

ランチョンセミナーでは、済生会熊本病院院長 中尾浩一先生より病院経営のトップを担う院長先生の日々の頭の中をお話いただきます。また、特別講演としてNPO法人となりびと代表山下祈恵さんに、若者をとりまく環境について身近な熊本の今をご講演いただく予定としています。これから検査室をどう拡げていくか、足りない物は何かを考えるにあたり必要なお話を拝聴できることと思います。

昨年より終日現地開催となった医学検査学会ですが、web参加の恩恵も捨てがたく今回もハイブリット開催といたしました。AIや医療DXを活用した働き方改革、タスクシフト、労働力不足や海外を拠点とする工場稼動など、私たちを取り巻く環境はこれからも大きく変化していきます。 今回の学会がこれからのあり方を考えるうえでの参考となれば幸いです。

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。最後になりましたが、今回の学会を開催するにあたり、運営委員の皆様、熊本県臨床検査技師会会員の皆様、賛助会員の皆様のご協力やご支援に心より感謝申し上げます。

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